加重
加重(労基則第40条第5項、労災則第14条第5項)の場合 イ 既に身体障害のあったものが業務災害(又は通勤災害)によって同一の部位について障害の程度を加重した場合は、加重した限度で障害補償を行う。 ( イ ) 「既に身体障害のあった者」とは、新たな業務災害(又は通勤災害)の発生前において、既に身体障害のあった者をいい、その身体障害が、当該事業場に雇用される前の災害によるものであると、当該事業場に雇用された後の災害によるものであるとを問うところでないし、また先天性のものであると、後天性のものであると、業務上の事由によるものであると、業務外の事由によるものであると、現実に給付を受けたものであると否とにかかわらず、既に身体等級表に定められている程度の身体障害が存していた者をいう。 ( ロ ) 「加重」とは、業務災害(又は通勤災害)によって新たに障害が加わった結果、障害等級表上、現存する障害が既存の障害より重くなった場合をいう。したがって、自然的経過又は既存の障害の原因となった疾病の再発など、新たな業務災害(又は通勤災害)以外の事由により障害の程度を重くしたとしても、ここにいう「加重」には該当しない。また同一部位に新たな障害が加わったとしても、その結果、既存の障害よりも現存する障害が重くならなければ、「加重」には該当しない。 なお、既存の障害が、業務災害(又は通勤災害)によるものである場合は、その後の障害の程度の変更いかんにかかわらず、既に障害補償のなされた等級(労災保険法第15条の2の規定により新たに該当するに至った等級の障害補償を行ったときは当該等級)を既存の障害の等級とする。 (ハ)ここにいう「同一の部位」とは、前期3の(2)「同一系列」の範囲内をいう。 ただし、ことなる系列であったとしても、「欠損」又は「機能の全部そう失」はその部位における最上位の等級であるので、障害が存する部位に「欠損」又は「機能の全部そう失」という障害が後に加わった場合(たとえば、右下肢の下腿骨に変形の既存障害が存する場合に、その後新たに右下肢をひざ関節以上で失ったとき)は、それが系列を異にする障害であったとしても、「同一部位」の加重として取り扱うこととする。 ロ 加重の場合の障害補償の額は、加重された身体障害の該当する障害等級の障害補償の額(日数)から、既に存していた身体障害の該当する障害等級の障害補償の額(日数)を控除して得た額(日数)とする。 ただし、既存の身体障害が第8級以下に該当するものであって、新たに加重の結果、 第7級(年金)以上になった場合には現在の身体障害の該当する障害等級の障害補償の年額(日数)から既存の身体障害の障害補償の額(日数)の 25 分の1を控除して得た額とする。 ハ 同一の部位に身体障害の程度を加重とともに、他の部位にも新たな身体障害が残った場合は、まず同一部位に加重された後の身体障害についてその障害等級を定め、次に、他の部位の身体障害について障害等級を定め、両者を併合して現在の身体障害の該当する障害等級を認定する。 二 系列を異にする身体障害で障害等級表上、特にその組合せを規定しているために、同一系列とされている次の場合に、既存障害としてその一方に身体障害を有していた者が、新たに他方に身体障害を加え、その結果組合せ等級に該当するに至ったときは、新たな身体障害のみの該当する等級によることなく、加重として取り扱うものとする。 両上肢の欠損又は機能障害 (第 1 級の6 [ 第 1 級の5 ] 、第 1 級の7 [ 第 1 級の6 ] 、第 2 級の3 [ 第 2 級の5 ] ) 両手指の欠損又は機能障害 (第 3 級の5、第 4 級の6) 両下肢の欠損又は機能障害 (第 1 級の8 [ 第 1 級の7 ] 、第 1 級の9 [ 第 1 級の8 ] 、第 2 級の4 [ 第 2 級の6 ] 、第 4 級の7) (二)両足指の欠損又は機能障害 (第5級の6 [ 第 5 級の8 ] 、第 7 級の8 [ 第7級の11 ] 両まぶたの欠損又は運動障害 (第 9 級の4、第 11 級の2、第 13 級の3) ホ 手指及び足指並びに、相対性器官(眼球及び内耳等)で身体障害の程度を加重した場合であっても、次の場合には、以下の準則により取り扱うこととする。 手(足)指に既に身体障害を有する者が、同一手(足)の他指に新たに身体障害を加えた場合及び相対性器官の一側に既に身体障害を有する者が、他側に新たに身体障害を残した場合において、前記ロの方法により算定した障害補償の額(日数)が、新たな身体障害のみが生じたこととした場合の障害補償の額(日数)より少ないときは、その新たな身体障害のみが生じたものとみなして障害等級の認定を行う。 一手(足)の2以上の手(足)指に既に身体障害を有する者が、その身体障害を有している手(足)指の一部について身体障害の程度を重くした場合において、前記ロの方法により算定した障害補償の額(日数)が、その一部の手(足)指のみに身体障害が存したものとみなして、新たに身体障害の程度を加重したこととした場合の障害補償の額(日数)より少ないときは、その一部の手(足)指にのみ新たに身体障害の程度を加重したものとみなし、取り扱うこととする。 相対性器官の両側に既に身体障害を有する者が、その1側について既存の障害の程度を重くした場合に、前記ロの方法により算出した障害補償の額(日数)が、その1側のみに身体障害が存したものとみなして新たに身体障害の程度を加重したこととした場合の障害補償の額(日数)より少ないときは、その1側にのみ新たに身体障害の程度を加重したものとみなして障害等級の認定を行うこととする。 障害の程度を加重するとともに、他の部位にも新たな身体障害を残した場合には、前記ロの方法により算定した障害補償の額(日数)が、他の部位の新たな身体障害のみが生じたこととした場合における障害補償の額(日数)より少ないときは、その新たな身体障害のみが生じたものとみなして取り扱うこととする。 上記(イ)、(ロ)、 ( ハ ) 及び(二)の場合において、前記ロの方法による加重後の身体障害の等級が第7級以上(年金)に該当し、新たに加わった身体障害が単独で生じたこととした場合の等級が第 8 級以下に該当するとき(既存の身体障害の等級と加重後の身体障害の等級が同等級である場合を除く。)は加重後の等級で認定し、障害補償の額の算定にあたっては、その加重後の等級の障害補償の年額(日数)から 既存の身体障害の障害補償の額(日数)の25分の1を控除して得た額とする。 |