障害等級決定基準

 

2 障害等級決定の基準

(1) せき柱の障害

せき柱のうち、頸椎(頸部)と胸腰椎(胸腰部)とでは主たる機能が異なって

いることから、障害等級の決定に当たっては、原則として頸椎と胸腰椎は異なる

部位として取り扱い、それぞれの部位ごとに等級を決定するものとする。

ア 変形障害

( ア ) 「せき柱」とは、頸椎、胸椎及び腰椎の総称をいう。

( イ ) せき柱の変形障害については、「せき柱に著しい変形を残すもの、「せき柱

に中程度の変形を残すもの、「せき柱に変形を残すもの」の3段階で等級を

決定するものとする。

( ウ ) 「せき柱に著しい変形を残すもの」及び「せき柱に中程度の変形を残すもの」は、せき柱の後彎又は側彎の程度等により等級を決定するものとする。

この場合、せき柱の後彎の程度は、せき椎圧迫骨折、脱臼等(以下「せき椎圧迫骨折等」という。)により前方椎体高が減少した場合に、減少した前方椎体高と当該椎体の後方椎体高の高さを比較することにより判定する。また、せき柱の側彎は、コブ法による側彎度で判定する。

なお、後彎又は側彎が頸椎から胸腰部にまたがって生じている場合には、上記にかかわらず、後彎については、前方椎体高が減少したすべてのせき椎の前方椎体高の減少の程度により、また、側彎については、その全体の角度により判定する。

(注) 体幹の変形障害認定の際に用いるコブ法

  「コブ法」とは、下図のとおり、エックス線写真により、せき柱のカーブの頭側せき椎(頂椎)及び尾側せき椎(終椎)において、それぞれ水平面から最も傾いているせき椎を求め、頭側で最も傾いているせき椎の椎体上縁の延長線と、尾側で最も傾いているせき椎の椎体下縁の延長線が交わる角度(側彎度)を測定する方法である。

(注)

○ 体幹の変形障害認定の際に用いるコブ法
「コブ法」とは、下図のとおり、エックス線写真により、せき柱のカーブの頭側せき椎(頂椎)及び尾側せき椎(終椎)において、それぞれ水平面から最も傾いている
せき椎を求め、頭側で最も傾いているせき椎の椎体上縁の延長線と、尾側で最も傾いているせき椎の椎体下縁の延長線が交わる角度(側彎度)を測定する方法である。

(労災補償 障害認定必携 引用)

( エ ) 「せき柱に著しい変形を残すもの」とは、エックス線写真、 CT 画像又は MRI 画像(以下「エックス線写真等」という。)により、せき椎圧迫骨折等を確認することができる場合であって、次のいずれかに該当するものをいう。

a せき椎圧迫骨折等により2個以上の椎体の前方椎体高が著しく減少し、後彎が生じているもの。この場合「前方椎体高が著しく減少」したとは、減少したすべての椎体の後方椎体高の合計と減少後の前方椎体高の    合計との差が、減少した椎体の後方椎体高の1個当たりの高さ以上であるもの。

b せき椎圧迫骨折等により1個以上の椎体の前方椎体高が減少し、後彎が生ずるとともに、コブ法による側彎度が 50 度以上となっているもの。この場合、「前方椎体高が減少」したとは、減少したすべての椎体の後方椎体高の合計と減少後の前方椎体高の合計との差が、減少した椎体の後方椎体高の1個当たりの高さの 50 %以上であるもの。

( オ ) 「せき柱に中程度の変形を残すもの」とは、エックス線写真等によりせき椎圧迫骨折等を確認することができる場合であって、次のいずれかに該当するものをいう。

a 上記 ( エ ) のbに該当する後彎が生じているもの

b コブ法による側彎度が 50 度以上となっているもの

c 環椎又は軸椎の変形・固定(環椎と軸椎との固定術が行われた場合を含む。)により、次のいずれかに該当するもの。

(a) 軸椎以下のせき柱を可動させずに(当該被災者にとっての自然な肢位で)測定した回旋位が 60 度以上となっているもの

(b) 軸椎以下のせき柱を可動させずに(当該被災者にとっての自然な肢位で)測定した屈曲位が 50 度以上又は伸展位が 60 度以上となっているもの

(c) 側屈位となっており、エックス線写真等により、矯正位の頭蓋底部の両端を結んだ線と軸椎下面との平行線が交わる角度 30 度以上の斜位となっていることが確認できるもの

( カ ) 「せき柱に変形を残すもの」とは、次のいずれかに該当するものをいう。

a エックス線写真等によりせき椎圧迫骨折等が確認できるもの

b せき椎固定術が行われたもの(移植した骨がいずれかのせき椎に吸収されたものを除く。)

c 3個以上のせき椎について、椎弓切除術等の椎弓形成術を受けたもの

イ 運動障害

( ア ) エックス線写真等ではせき椎圧迫骨折等又はせき椎固定術が認められず、また、項背腰部軟部組織の器質的変化も認められず、単に、疼痛のために運動障害を残すものは、局部の神経症状として等級を決定するものとする。

( 注 ) 「軟部組織」とは、皮膚、筋肉、腱、血管等の組織をいい、せき柱を構成する椎間板は、軟部組織には当たらない。

( イ ) 「せき柱に著しい運動障害を残すもの」とは、次のいずれかにより頸部及び胸腰部が強直したものをいう。

a エックス線写真等により頸椎及び胸腰椎のそれぞれにせき椎圧迫骨折等が確認できるもの

b 頸椎及び胸腰椎のそれぞれにせき椎固定術が行われたもの

c 項背腰部軟部組織に明らかな器質的変化が認められるもの

( ウ ) 「せき柱に運動障害を残すもの」とは、次のいずれかに該当するものをいう。

a 次のいずれかにより、頸部又は胸腰部の運動可能領域が参考可動域の2分の1以下に制限されているものをいう。

(a) エックス線写真等により頸椎又は胸腰椎にせき椎圧迫骨折等が確認できるもの

(b) 頸椎又は胸腰椎にせき椎固定術が行われたもの

(c) 項背腰部軟部組織に明らかな器質的変化が認められるもの

b 頭蓋と上位頸椎間に著しい異常可動性が生じたもの

 


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